リドリー・スコット監督の新作「オデッセイ」(The Martian)をIMAX3Dで観てきた。火星有人探査に臨んだ6人のクルー達が、船外でミッションを行っている間に嵐に見舞われ、軌道上の母船へと離脱を図るのだが、その際にマット・デイモン演じる主人公マークが飛んできた設備に直撃し、一人だけ消息を絶ってしまう。マークの生存は絶望的だと判断され、已む無く置き去りにされるのだが、実は奇跡的に死を免れており、マークはNASAが救援を寄越すまでの長い月日をたった一人で生き延びるべく奮起する、というストーリーだ。SFの割には地に足の着いた堅実でそつがない作りだった様に思う。広大かつ過酷な火星の環境をリアルに描いており、その中にぼっちで取り残されるという絶望的な状況を物ともせず、決して諦める事無く、少しでも長く生き延びる術を模索するマークの勇姿は、名優マット・デイモンに備わるイメージそのものだ。しかし、この手の宇宙モノというのは、もうある種の到達点に至ってしまっている感があり、脚本にしろ、演出にしろ、圧倒される様な要素が無くなってきているのは否めない。単純に目が肥え、感覚が麻痺してしまっただけなのかも知れないが、どうしてももっと新鮮で驚異的な体験を求めてしまうから、そういう意味では革新的といえる程では無かったんじゃないかなと。いやまあ普通に面白かったのは事実だけど。劇中、NASAの失敗をフォローするのが中国の航天局で、文字通り助け舟を出す役を担っているのだが、穿った見方をしなくても中国を意識せざるを得ないって事なんだろうね。これにはどうしても「ゼロ・グラビティ」のクライマックスを想起しないではいられず、時代は中国なのだなぁと改めて実感した。さて、次は何を観に行くべきかしら。

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